マレーシア子 育て奮闘記 人生一度きり! 第5回

第5回
子どもは自分を写す鏡!
多文化の国で友だち作り

私は元々話し下手で人見知り。今回は、そんな私が子どもの友だち作りから学んだお話。

マレーシアに住み、肌感覚でも感じることは、日本に植民地とされたアジアの国や地域の中でも非常に親日の国ということです。特に若い世代は、日本のアニメや漫画の影響もあり、日本人というだけで親しみを持って話しかけてくれます。漫画『スラムダンク』が大好き! というマレーシア人ママと意気投合したのはつい最近のこと。

ですが、良い経験ばかりではありません。長女が2歳の頃、男の子たちが娘を「ジャパン」と呼びながら追いかけるということがありました。長女は遊んでもらっていると思っているようでした。初めての状況に、子どもたちを注意すべきなのか、何を伝えたらいいのか判断ができず、憤りのような思いを抱きながらも、その子たちの親が注意するまでその状況を見守ることしかできませんでした。

最初は子どもたちを注意するという意識でしたが、何度も思い返す中でこう考えました。男の子たちにも何か訳があったのかもしれない。このことは何も子ども同士のことだけではないと。大人でも見た目や言語の違い、性別などのフィルターにかけて人を判断します。私だってそうでした。無意識に相手をこうだと決めつけているから話す前からうまく話せず、人見知りだったのです。揶揄されるということは、マレーシアでなくても、日本でもどこでも起こりうると思いました。私や夫がいつも子どものそばにいることができるわけではないということも。だから、子どもが自分で解決する力をつけてあげることが大事だと感じました。

ふと、社会人3年目で仕事を辞め、米国サンディエゴに1年半留学にいったときに出会った、陽気に笑顔で話しかけてくれたメキシコ人の友人たちを思い出しました。彼らのようにまず笑顔で挨拶。自己紹介をして相手の名前を聞く。こんな当たり前のことを、できていなかったことに気づきました。でもこれで、きっとはじめの一歩はうまくいくのではないかと思いました。まずは私が見本として、子どもでも大人でも挨拶と自己紹介をきちんとするようにしました。親同士が知り合いでも、子ども同士が初めてだったら自己紹介。久しぶりに会うと忘れていることもあるので、そういう時も必ず。それから一緒に遊び始めると、子ども同士が柔らかい雰囲気になり、揉めごとも少なくなると感じます。人見知りや場所見知りが激しかった長女は、今ではいつも元気に挨拶し、人懐っこくたのしく、好奇心旺盛で、多少のことでへこたれないポジティブな性格になっています。

私はコミュニティを作る上でもこのことを大切にしました。また、何のフィルターもかけず、その人のありのままを見てみる。そうやって色々な人と話をしていくうちに、人見知りの自分はいらなくなりました。子育てからの学びは本当にたくさん。それを活かすと自分の世界が変わります。マレーシア生活をより楽しむ秘訣を子どもから学んだ出来事でした。

阿部 依里子
在馬6年目。4歳と1歳の娘の子育てに奮闘中の寅年。「マレーシア子育てLABO」を主宰。当地でのオモシロ時々奇想天外な子育てストーリーをお届けします。

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