ニッポンとマレーシア

 一年に一度のお楽しみ。9月初日か ら5週間日本へ一時帰国した。秋の装い を準備していたのだが、日本は猛暑が続 いていた。南国から来たというのに、私 は空港から出た途端、あまりの暑さに鼻 血が出るし、息子はあせもが出るし、娘 の髪の毛は常に汗でズブ濡れ。「常夏か ら来たのに?」と失笑をかった。9月も 半ばになるとある程度は涼しくなったも のの、 10 月初旬、マレーシアに戻るまで、 半袖で過ごせるほど暑かった。

 久しぶりの日本は去年と同様、老人 層が圧倒的に多いというのが第一の印 象。若者がたむろするファミレスやコ ンビニの店員、昔は学生アルバイトが 多く、若々しいイメージだったが、今では 40 代後半から 50 代の働く女性が目 立った。ミニスカートにエプロン姿で 10 代、 20 代の学生やフリーター女子に 混じって働いている彼女たちを見てい ると、制服だから仕方がないとはいえ、 なんとも不気味であった。もちろん彼 女たちに否があるわけではない。制服を支給する店側が年相応の服を用意し ないのが悪いんだろうが、不景気だから仕方がないのか。

  市役所に行けば、 60 歳をとうに越え たおっちゃんがガードマン姿でウロウ ロ、その数、狭い駐車場になんと8人! 交通整理をしているのか邪魔をしている のか…。はっきり言って、税金の無駄遣い。もしその仕事が本当に重要ならば、 若者にその仕事を譲ってあげてよ !!

 夜、繁華街を歩いても、十数年前の 活気はもはやない。ネオンも省エネのた めか暗く、KLの喧騒が恋しくなって しまった。なんだかニッポンの不景気回 復見込みはゼロという印象を受けた。

 電車に乗ると、一駅一駅、降りては ゴミ箱内の雑誌を持ち帰るおっちゃんを発見。身なりは普通なのになぁ…。ゴミ の分別がすっかり浸透した日本では、電 車停車中の数分の間で、サッとゴミ箱内 がチェックできるようで、おっちゃん の手際はとってもよかった。ファースト フード店でも分別はしっかりとなされており、客自らが水、カップ、紙などと分 けて捨てていた。店内はいつもキレイ。 ニッポン人の勤勉さは相変わらず欠けて いないなぁと感心。マレーシアは片付けなくてもいいが、混雑時の店の汚さにはウンザリさせられるもの。

 マレーシアでは、まだまだ家庭ゴミの分別は普及していない。なんでもかんでも1つのゴミ箱に「ポイッ」しても許される。実家では母がいそいそとゴミ分 別を、これまた手馴れた手つきで行って いた。祖母の家の地域は私の実家よりも 厳しく、プラスチック容器に張られた値段のシールも1枚1枚丁寧に剥がして分 別しなければならない。手抜きで惣菜や お弁当を買って帰ったにもかかわらず、 その容器を捨てるのに一苦労だった。電 化製品を買ったり、ネット通販で物を買えばその過剰包装に驚かされる。傷一つ なく配送されるのはありがたいが、ゴミの始末が面倒である。

 「資源を大切に」、「リサイクル」、「ゴ ミの分別」としきりに言っているニッポ ン。マレーシアに暮らす私から見ると、 便利で美しいものがたくさんあって羨 ましいが、そのゴミの量は相当なもの。 KLに戻り、紙1枚に包まれたチャオクイティオを食べて思う。見栄えは悪いがこれでいいのだと。

利秀

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