続く不運、いつ終わる?

 日本から帰国した翌日。キッチンの異変に気がついた。ん?何か臭う?ずっと留守にしていたのだからゴミの臭いではないし…。何かの気配を感じる。その方向へ近づくと臭いも増す。備え付けの棚にはヤモリの糞らしきものが無数に落ちている。あれ?これはもしかして…。

 嫌な予感は当たった。ねずみが一匹迷い込んだのだ。留守中、寝室を改装したので、業者が出入りするなか、ねずみが我が家へ侵入したと思われる。まだ封を切っていない、Keropok(魚のせんべい)を糧に、キッチンを陣取っていた。夫が「捕まえるまで掃除するな」と言うのでそれに従った。ねずみは臭いが消えるとよそへ移動するという。これ以上行動範囲を広げられたら困るので、糞や臭いをそのままにネズミ捕りをしかけた。焙って匂いを増長させたイカの干物を鉄製のかごに仕掛けて待つこと二晩。お腹を空かせたねずみの捕獲に成功した。夫は遠く離れたどこかでねずみを放した。

 翌日からはキッチンの大掃除。隅から隅まで3日かけて掃除した。その後、日本からの荷物の整理に丸1日を費やした。やっと日常生活に戻り、掃除を請け負うメイドサービスを再開した。新しく派遣されたお姉さんは働き者で掃除上手であった。そのおかげで…。

 もともと我が家のダイニングの先は裏庭になっていたのだが増築し、そこを子ども部屋にしている。裏庭に続くガラス戸はそのまま残していたので、子ども部屋とダイニングの間には大きなガラスの引き戸が存在した。「わ〜、きれいに掃除してあるわぁ〜!」なんて喜びながら、子ども部屋の先にあるトイレへ入り、用を済ませ、ダイニングへ戻ろうとしたその時…。ゴツン!ガッシャ〜ン!。

 あまりにもピカピカに磨かれたガラス戸。閉まっているのが見えず、私は思いっきりガラスに衝突したのだ。私の顔面の二大特徴、その壱:おでこが異常に出っ張り広い。その弐:前歯が大きく出っ歯気味。この強固な二大ポイントがガラスに衝撃を与え、ガラスの下辺が大破損した。打った場所にはおでこの脂跡が虚しく残っていた。ガラスによる怪我はなかったが、鋭利な前歯が唇の裏を刺し流血。ガラスの向こうで夫と子どもたちが呆然と私を眺めていた。夫の友人であるガラス屋さんに電話したら、翌日に無料でガラス戸の始末をしてくれるという。もつべきものは友、ありがたや…。

 と、思いきや! 翌日、ガラス屋さんはローリーでやってきた。門の前にローリーが止まったので私はゲートを開けた。ローリーがバックで下がっていく。途端、ボッコ〜ン、グシャリ!と音がした。慌てて外に出てみると、あれぇまぁ〜! 夫が車から降りようとドアを開けたところにローリーが突っ込んできたのだ。友人も夫も真っ青。無料で来てくれたから、弁償しろとも言えない。ドアは完全に破壊されたので、同じ車種の中古品をつけたが色が違う。結局、全塗装しなければならない。エライ出費だ。彼らが帰った後、玄関のドアを閉めようとしたら閉まらないではないか! ラッチボルト(戸が風などで開かないように空締まりする部分)が中に入ったまま戻らない。ドアを開閉するたびに鍵をしなければならなくなった。24時間で3つのドアが壊れるなんて信じられない。これも厄年の影響か? しかし、一番不運だったのは、全ての後始末をしなければならない夫なワケで。今年の大厄は私ではなく夫だったのではないか?と、私は疑いを抱いている。 

利秀

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