2014年6月-デング熱ったら、デング熱

 娑婆の夕陽は思いのほか眩しかった。罪状デング熱。P刑務所(いやいや、病院ですけどね)でのお勤めを遂行し、四泊五日、日の当たらない二人部屋より晴れて釈放された。安静療養、禁酒、脂っこいもの摂取禁止としばらく保護観察付きだが、針と液体、痛みと痒みに縛られる生活は、もう懲り懲りだ…。

 4月のある晩のこと。背筋がゾクゾク、体がだるく、節々が痛み始めた。酔っ払ったか? と思いながら、帰宅後熱を測ったら39・8度! 寒気がひどく、布団にくるまり眠りについた。翌朝、38・8度。クリニックへ行くと、抗生剤と解熱剤が処方された。多少は効くものの、夕方にはまた高熱、そんな繰り返しが続いた。

 四日目、再度クリニックへ訪れるとドクターは、「風邪の症状はあるか?」と聞く。そういえば、体がだるく節々が痛むが鼻水も、咳も出ない。たまに頭痛はあるけれど、頭が痛いというより、目の奥が重く、眼球を動かしたり、光が当たると眩しく、ズ〜ンと痛むと答えると、血液検査をされた。

 「デング熱はネガティブだが、白血球の数値が低く、極めてデング熱の可能性が高い」と。専門医のいる病院で再度採血、やはりネガティブだが、デング熱と診断され即入院となった。

 その日から毎日点滴という手錠がはめられ、身動きが取れなくなった。ものすごく変な味がする粉末状のドリンクやら、痛み止め、解熱剤が投与される。また、生理が予定より1週間早く始まった。これもデング熱ならではで、一番怖いのが白血球不足からの出血多量。止血剤も飲まされた。食欲はない。

 二日目には内出血のような湿疹が顔を除く全身に広がった。ムズ痒い。皮膚じゃなく、肉の奥が痒いもんでどうにもならない。痒み止めをもらっても、体がうずいて寝れない。翌晩は睡眠薬をもらったが、その睡眠薬が爪の先に挟めるほど小さくて! こんなん効くわけない! と思い込んだら案の定効かず、またもや眠れない。この二晩が一番辛かった。

 そうこうする内に白血球の数値が戻り始めたと、五日目の夕方、突然点滴が外され「出所」が決まったのだった。

 お見舞いに来てくれたローカルの友人が、「ヤマアラシの粉が効くのよ!」と教えてくれた。何じゃそりゃ? 彼女曰く、ヤマアラシの胃の中にできる石(要はヤマアラシの結石?)を粉にした漢方で、デング熱や癌など、特効薬がなく、体力が著しく低下している時に飲むと、ただちに元気になるとか。1包み3gほどで800リンギもするのだそう。値段を聞いてたちまち興味が失せたが、退院の日、なんと、夫がその秘薬を持って病室に現れたのだ。「う、噂の…」。これも何かのご縁と一息に飲んだ! に、にがい!!

 退院後一日目は体がだるかったものの、二日目からは友達とランチ、早くも寝たきりにピリオド。五日後にはプールで400m泳げるほどに回復した。体のだるさが抜けるまでに、一ヵ月はかかると言われるデング熱。私が頑丈にできているのか、はたまたヤマアラシのお陰か…。わからないが只今とっても元気なのである。

利秀

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