2016年12月-コブと米とゆで卵

1月末、近所の中華レストランで食事した。女3人寄れば「姦しい」と言うが、弾む会話に笑い転げ毎度ヘベレケになる実に楽しい会なのだ。ビール以外持ち込み無料、各自好きなお酒を持参した。ビールに始まり白ワインが効いてきたのか、ほろ酔いで毒舌にも拍車がかかる。そんな宴のなか私はトイレに立った。入ってすぐに洗面台があり、その脇の40センチぐらいの段を上がった所に和式の便器がある。用を済ませて段から降りようとした時、足を踏み外し、私は床か壁でおでこを強打したようだ。腕や脚に残った傷からそう予想される。というのも、出る際にもドアでおでこを打ち、あまりの痛さに記憶がぶっ飛び、未だ真相不明なのである。「ドアで頭打った~!」ヘラヘラと席に戻ると友人硬直。目をひん剝いて私を見ている。私のおでこには今までに見たことのないような、お岩さんも驚愕するであろう、とてつもなく巨大なコブができあがっていたのだ。すぐに店のおっちゃんが温かいゆで卵とタオルを持って駆け寄ってきた。彼は手際よく殻付きのゆで卵をコブに当て、タオルをグルッと巻いて固定させた。じんわり温かい。痛みもないし、我々は「かしまし娘の宴」を続行した。おっちゃんは計3回、ゆで卵を交換し、手当てしてくれたのだ。
翌日、左眉の上には薄っすらと青タン。ゆで卵のおかげか巨大なコブは嘘のように引いていた。翌々日の朝。左目の周りがパンダのように赤紫になっているではないか! おデコの内出血が目の周りに下りてきたのである。10月31日、世間ではハロウィンのホラーメイクで大盛り上がりだが、私はこの「オーガニックゾンビメイク」をいかに隠すか化粧に苦戦した。皮肉にも31日は私の誕生日でもある。
「青タンを早く消すには、ゆで卵か蒸した米を患部に当て血行を良くするのが効果的」と夫。藁にもすがる思いで、あの日おっちゃんがしてくれたようにゆで卵ハチマキを締めると爆笑された。「皮を剥いてアザの上を転がしながらマッサージ。最後に食べるんだよ」と。え? 食べるん? とりあえず、指示通りにするも皮を剥く最中にゆで卵は冷めてしまった。そこで古くなったもち米を蒸し、熱々のままラップに包み、それをガーゼに包んでアザとコブに当ててみた。これが思いのほか気持ちいい。もち米は柔らかく、目にフィットするので隅々までポカポカと温まる。横になりコブ周辺、目の周りを10分ほど温める。ついでに肩こり部分にも当ててみる。もち米は20分以上、温かく私を癒してくれた。冷めたもち米は冷蔵庫で保存。翌日はレンジでチン、同じことを繰り返した。3回目は固くなってしまったので、再利用は2回が限度か。「もち米血行促進」は、目も肩の疲れもとれるし翌朝スッキリ目覚めることができるのでおすすめだ。それ以来、小分けにして冷凍庫に常備している。
ところで、このゆで卵療法、中華系の間では諸説あり。夫は「コブができた直後は冷やし、アザができてから剥いたゆで卵」という。チャイニーズのおばさん達は「打った直後に剥いたゆで卵。一度でよい」と言う。いずれにせよ、殻付きの卵をタオルで固定し3度も取り替えた話には誰もが「それ間違い!」と大笑い。しかし、おっちゃんのおかげでコブはすぐに引き、青タンも一週間で消えたのだから、あながち「間違い」と断定はできないと思うのだ。88tsurezure-1479286293849

利秀

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