2017年2月-泣き寝入り

友人(マレーシア人)の話。ある朝、通勤中のこと。彼女は渋滞のなか、時速20㎞ほどで運転していた。その瞬間、ドンと後ろから強い衝撃が! バイクの男が追突してきたのだ。バイクの先っちょは真っ二つ。ドライバーの顔にはガラス片が刺さっていた。彼女の車はバンパーが凹み、リアウィンドウが割れ、天井の部分まで陥没していた。衝突の衝撃でヘルメットを被った男の頭部が車の上部にめり込み、まるで顔の形のように凹んでいた。幸い彼女にはケガはなかった。バイクのドライバーは、混んだ道で車線変更を繰り返し、友人の車に突っ込んだのだ。どう考えたって、悪いのはバイク。ところが、マレーシアではどんな状況で事故が起こっても対バイクはバイクの「勝利」。バイクの保険で彼女の車を修理することはできず、彼女は自分が加入している保険で修理しなければならないのだそう。バイクの男に課せられたのは罰金300リンギだけ。彼女が出勤に遅れたこと、車の修理期間中は公共機関で通勤しなければならないこと、それにかかる時間とお金は誰からも補償されないのだ。今まで無事故で割引されていた年間保険料も、来年から元の価格になってしまうのだ。まさに、泣き寝入り。どんなに気をつけて運転したって、飛び込んでくるヤツがいたらひとたまりもない。聞いていて、私は自分に起こったことのように腹が立った。
そういえば、昨年末こんなことがあった。私の夫は2車線の左側を走行し、右車線をトラックが走っていた。鉄の棒をたくさん積んだトラックだ。荷台が不安定で「危ないな」と思っていたその時、なにかが車にカツンと当たった。夫は前の車が踏んだゴミが飛んできたのかと思ったそうだ。何かが当たる感触はあったが、大きな衝撃ではなかったのでやり過ごし、自分のオフィスへ戻った。ちょうど昼時で、会社付近はたくさんの人が行き交っていた。通る人全てが、目を丸くして夫の車を凝視している。「なんだろう?」と首を傾げながら会社の前に駐車すると、従業員が「どうしたの‼」と大声ですっ飛んできた。「なんだ? なんだ?」と車から降りてビックリ! 先ほどのトラックから鉄棒が落下し、それがバンパーに突き刺さっていたのだ! これって、恐ろしすぎる! もし、鉄棒がワンバウンドして飛び跳ねていたら、その勢いでフロントガラスを突き破り、夫に刺さっていたかもしれない。仮に夫に刺さらずとも、ガラスの破片で大けがをしていたに違いない。この件とて、誰にクレームすることもできない。どこの会社のどのドライバーが運転していたものかなんて、今となってはわからないし。まったくもって、泣き寝入りである。夫にケガがなかったことは不幸中の大幸いだが腑に落ちない。板金屋さんに鉄棒を抜いてもらい、現在は穴が開いたまま。以前、私が自宅のゲートに引っ掛け、裂けたバンパーはフランケンシュタインのように修復。その上に新たな穴。もう、ボロボロ。修理しなきゃと思いつつ放置している。
以前、別の車の後部を柱にぶつけ、修理しないで放っておいたら、後ろから追突され、先方にきれいに治してもらったこともある。いや、何かに期待しているわけではないのだが。(注:柱にぶつけたのも、追突されたのも、私と夫の運転時ではない)
保険プラン云々も大事だが、事故に巻き込まれない方法か呪文があるなら知りたいもんだ。

 

利秀

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