KLのらりくらり徒然草 第140回 水の中の世界へ現実逃避

KLのらりくらり徒然草

水の中の世界へ現実逃避

家で過ごす時間が増えた一年前のこと。長男は以前から興味をもっていた古代魚について調べたり、YouTubeを検索しては、「かっこいいなぁ。飼ってみたいなぁ」と、私に聞かせるかのごとくつぶやいていた。CMCOになるとすぐ、義母と観賞魚屋へ出かけて行った。迂闊にも、この二人組を買い物に放つとヤバいことを長い巣ごもりで忘れておった。案の定、息子はどでかい水槽と、龍のような魚を手に帰宅した。

古代魚とは「生きた化石」とも呼ばれ、5億年以上前から恐竜が繁栄した時代にかけて出現し、その後、生存競争に勝ち抜いて現在まで生き残った魚類のこと。息子が連れてきたのはポリプテルスという魚で、「古代さん」と名付けた。虫やカダヤシ、冷凍赤虫などを食べる。生きたものを餌として与えるので、必然的に餌も飼育する。高雅に泳ぐ古代さんは昇り龍さながら。餌付けするので息子になついている。水槽前にいると、ハッと気づけば一時間は経過していることもしばしば。餌がなくなると義母を誘って出かけ、オスカー、ガー、アロワナ、ゴンズイなどの古代魚が増えていく。息子の部屋は水族館へと化していった。

「ママは自分の水槽があったら何を育てたい?」と息子。「そうやなぁ、小さいエビかな」と応じれば、私の誕生日に小型水槽とレッドチェリーシュリンプを買ってくる始末。「メンテナンスは僕がするからね」と意気揚々。コヤツめ。自分の趣味の範疇から好きなものを選ばせて、巧妙に人の誕生日を利用しやがったな。彼女や妻に激昂される、一番アカン手口やないかい! ちなみに長女の誕生日にはベタをプレゼントしておった。

小さなエビ3匹は、小さすぎてどこにいるのやら分からない。流木や水草に隠れて探すにも一苦労、癒されるどころかストレスにさえ感じる。ところが数ヵ月もすれば大きくなり、徐々に愛おしくなってきた。水槽内を水草で飾りたくなり、息子の買い物についていった。嗚呼、私としたことが。あまりにもかわいくて、かわいくて、ピンポンパールという、まん丸の金魚を買ってしまった。正面から見ると、島田髷のお局さんが、お尻をプリプリしながら、忙しく走り回っているような感じ、一目惚れです。

さて、水草をエビの水槽に入れると、なにやらエビが大喜び。激しく踊り、時にジャンプ。そうかそうか、水槽きれいになったもんね~。家事を済ませて再び水槽前に戻り、愕然。エビが全滅しているではないか。一緒に泳いでいるカージナルテトラやグッピー、お掃除係のプレコは元気なのに。よくよく調べてみると、水草には微量の農薬がついているらしく、それに敏感な小エビは放っておくと死んでしまうのだそう。エビが激しく反応した場合は、水を変え、水草は別容器で農薬を抜いてから入れなければならないらしい。かわいそうなことをしてしまった。はぁ、大失敗。合掌。

庭の蓮壺には、10年前に入れた5匹のグッピーが子孫繁栄し続け、常時3050匹ほど泳いでいる。「生き物はちょっと」という方でも、小さな容器で、丈夫なグッピーやベタならエアポンプなしでも飼えるし、プレコやコリドラスを入れておけば掃除も簡単。世知辛い世の中での疲労、幻想的な魚の世界を眺めているだけで癒しになりますよ。

利秀 プロフィール 2001年来馬。チャイニーズの夫との結婚を機に永住を決意。大好きなマレーシアに振り回されつつKLライフを謳歌。現在3児の母。

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