KLのらりくらり徒然草 第144回 キューバンオレガノ

KLのらりくらり徒然草

キューバンオレガノ

先月号の特集で、本帰国した方や学生時代の友達まで「記事読んだよ!」と、多くのメッセージを頂いた。嬉しいと同時に気が引き締まる思いだ。

そんななか、質問が多かったのが「キューバンオレガノ」について。自家製納豆の項で記載したのだが、私自身もこの葉っぱが「キューバンオレガノ」で正しいのかどうかが不明なのだ。

長男出産直前の16年前に、今の家に引っ越した。ビニールプールに水を溜め、ヨチヨチ歩きの息子を遊ばせながらガーデニングの真似ごとを。それも束の間、歩き出し、喋り出し、食べ出したら、こどもの世話に追われ、植木のことはすっかり頭から消えた。哀れにも私の植木は次々と枯れていった。とはいえ、ひたすら放ったらかしだったのに、現在も花が咲き、実がなり生き残っているものもある。マンゴー、アエジャンブー、プルメリア、ショウジョウヤシ、カラマンシー、ブーゲンビリア、ジャスミン、レウコフィルム、ポトス、レッドボタンジンジャー、ヘリコニアだ。地植え、鉢植え共に園芸が苦手な人におすすめだ。

さて、空っぽになった植木鉢が並ぶ庭を見かねた義母が、友人からもらったという一本の草を空いた鉢にズボッと無造作に差し込んだ。「喉の調子が悪い時にハーブティーにしたり、抗ガン作用もあって、火傷の治療や料理にも使えるんだって。いい香りでしょ」と。私はハーブに詳しくないのだが、オレガノのようなバジルのようなミントのような…。確かに香りはいい、世話する余裕皆無だが。

ただ土に刺しただけなのに、繁殖力が凄まじい。あっという間に植木鉢はコイツで満杯。ここは狭しと隣の鉢、そのまた隣、ついには地べたへと大繁殖。義母は「あら~、すごいわね!」と、また葉先をハサミでちょん切っては土に刺す。自力でも大繁殖なのにこれ以上増やすな! というわけで、緑豊かに見える庭は、ほぼコイツで埋め尽くされている。

ハーブティーは取り立てておいしくもない。しかし、刈り取らないと占拠されてしまう。せっせと摘んでは料理に使うことに。ローストポークに、肉や魚の臭み消しに、カレー・ハンバーグ・ミートソースに、スープにと、ことあるごとにこの葉っぱをポイポイ投入。これが意外とおいしくて、ハーブが必要なレシピは、これで代用できる。オリーブオイルとカシューナッツとコイツで作ったペストや、ニンニクとトマトとセロリを炒めて、干し貝柱とその戻し汁とコイツでサッと煮たパスタソースなど。いつしか我が家に欠かせない食材となった。摘めば摘むほどパワーアップし増えていく。

さて、コイツの正体は? SNSのマレーシアの園芸グループに尋ねてみると「キューバンオレガノ」との回答が多数、「メキシカンミント」や「インディアンボリジ」なんて声もあったが、「キューバンオレガノ」が正解に近いと思っている。日本だと「アロマティカス」とも呼ばれ、丸い葉が特徴の肉厚で、産毛の生えたシソ科の半多肉多年植物ということだ。私のは、シソと形が酷似、特徴は全てアロマティカスと一致する。というわけで、便宜上コイツをキューバンオレガノと呼んでいるのだが。虫よけの他、抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用に優れているとの記述もあり、我が家では食材として大変重宝しているのだ。

利秀 プロフィール 2001年来馬。チャイニーズの夫との結婚を機に永住を決意。大好きなマレーシアに振り回されつつKLライフを謳歌。現在3児の母。

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