KLのらりくらり徒然草 第145回 フクロモモンガのナナ

KLのらりくらり徒然草

フクロモモンガのナナ

昨年のMCO前、夫のお客さんから相談を受けた。曰く、フクロモモンガを数匹飼っているのだが、引っ越すことになり、次の住まいがペット不可のコンドだと。こっそり連れ込む気らしいが、全員は無理だから、一匹引き取って欲しいとのことだ。定期的に様子を見に来るし、爪の手入れなどもしてくれるという。夫は会社でみんなで飼えばいいと、引き取った。動物好きの我が子は、学校帰りに会社に立ち寄り、フクロモモンガの「ナナ」をかわいがった。そうこうするうちにMCOとなり、必然的にナナはうちで暮らすこととなったのだ。

フクロモモンガって、意外にもマレーシアでは人気のあるペットのようで、飼い方を検索してみると日本語での情報は少ないが、英語だとマレーシア含む各国からの情報がある。雑食で、フルーツや野菜のほか、虫や肉類も食べる。ナナは乾燥したミルワームとヒマワリの種、そしてマンゴーなどの甘くて汁気たっぷりのフルーツが好物だ。オスなのでお尻付近には愛くるしい「ボンボリ」がぶら下がっている。おでこには丸い禿があり、ストレスによる円形脱毛症かと思ったが、この禿こそオスの特徴なんだって。匂いが強いので、ボンボリ除去手術をする飼い主もいて、その場合、男の勲章であるボンボリがなくなると同時に、円形禿は消えて、毛が生えてくるんだと!

我が家に到着するとケージから「ぎょ~ん、ぎょぎょぎょん~!」とびっくり箱のバネが飛び出してきたかのうような奇妙な音がした。フクロモモンガの威嚇と警戒の鳴き声である。これがわりと大きな音で、フクロモモンガはその小さな体からは想像もつかない、大きな鳴き声の動物なのだ。なるほど、ペット不可の引っ越し先でこっそりと飼うことができない事情がようやくのみこめた。

夜行性だから昼間はほとんど動かず。ケージの中に靴下やハンモック、筒を入れておくとその中に入って丸まっている。夜になって寂しくなると、「シネ~ッ、シネッ、シネッ、シネッ!」と、騒ぎ立てる。最初は「死ね」と囁かれているのかと思い、ギョッとしたものだが。甘えている時の鳴き声で、おやつを手渡しするとおとなしくなる。ナナはバク転が得意だが、滑空が苦手。何度も練習するが全く飛ぶ気がない。ヤモリみたいにはい回り、器用にジャンプしながらあちこちに登っていく。小さなケージではかわいそうなので、高さ1.5m、4階建ての猫用のケージを購入し、そこに住まわせた。ところが見落としていた小さな隙間から脱走。夜中に私のベッドを駆け回り、おでこをかじって逃走した。翌朝、洗濯カゴの中で、洗濯物にもぐりこみ、スヤスヤと眠っているナナはかわいく心癒されたが、おでこの痛みと腕に残るひっかき傷はそう簡単には癒えなかった。

ナナが来てからもうすぐ一年。相変わらず自由気ままで、滑空する姿は見せてくれない。この小さなひょうきん者は突拍子もないことをしでかし、時に私たちを困らせるのだが、笑ってしまうことが多々、どうも間抜けなヤツで憎めない。

行動制限が緩和され、元飼い主も夫の会社を訪問できるようになり、たまに面会日が設けられる。大柄・髭面で山男のような夫は、長女のかわいいポシェットにナナを入れ、まるで「ナウシカ」のように出勤していくのが滑稽でならない。

利秀 プロフィール 2001年来馬。チャイニーズの夫との結婚を機に永住を決意。大好きなマレーシアに振り回されつつKLライフを謳歌。現在3児の母。

関連記事

コメントは利用できません。

アーカイブ

ページ上部へ戻る