2012年3月-Dr.江頭の健康相談

 

 

 

 

 

糖尿病の話  

 今回はマレーシアでも注目されている生活習慣病の代表選手である糖尿病について考えてみましょう。 糖尿病は高血圧や高脂血症と共に生活習慣病の一つとして挙げられていますが、実際には高血圧や高脂血症とは少し違う性質をもっています。つまり、①服薬治療しても完全に制御することが困難で、ある程度進行したものは努力しても徐々に進行していくことが多い。②罹病(りびょう)期間が長い場合やコントロールが悪いと腎臓疾患や網膜疾患、神経疾患などの病気(合併症)が出てくる。③ほかの生活習慣病に比べ動脈硬化をきたしやすい、といった特徴があります。

 結果として、狭心症の原因である心臓の血管の動脈硬化もきたしやすく、治療しても再発する頻度が高くなります。また腎臓が悪くなり血液透析をするようになっても、ほかの病気が原因で透析となった場合に比べ、長年の透析に体がもたないことが多く、結果的に寿命が短くなります。 

 このため糖尿病患者の場合は目標となる血圧やコレステロールの値も、ほかに比べより厳しい基準をクリアするように指導・治療されます。例えば血圧なら一般の患者さんは140/90mmHg以下を目指して治療しますが、糖尿病の場合は130/80mmHg以下を目指さねばならず、コレステロールは通常悪玉コレステロール(LDL)が140mg/dl以下でよいのに糖尿病だと100mg/dl以下を目指さねばならない、といった具合です。

 このように糖尿病には厳しい基準で治療することが必要なのです。従って糖尿病の方はその状況を知るために2〜3ヵ月ごとの診察と血液検査が必要で、その結果によっては治療内容の調整が必要となります。さらに1年に1度は合併症チェックのために眼科検診も必要です。

 それでは糖尿病発病前の糖尿病予備軍(境界型糖尿病)についてはどうでしょう? この場合も発病してないからといって決して油断してはいけません。このグループの方は生活習慣を改善せず放置していると半数以上が数年のうちに糖尿病へと進行します。また、境界型糖尿病であっても心臓などの血管の動脈硬化は進行することが分かっています。従って、糖尿病患者と違うのは薬を服用しなくてよいだけで、その他の対策(食事・運動・体重管理)は必要です。

 糖尿病はかなり厄介な病気なので、治療に真剣に取り組むのはもちろんのこと、予防にもしっかり取り組む必要があります。

江頭省吾

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2012/03/05 | カテゴリー:【連載終了】Dr. 江頭の健康相談

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