2019年7月-キャンプと息子とダツのツダさん

今月号の特集の取材に息子と同行させていただいた。山奥のトイレも水道もないところに行くと聞き、アドベンチャーに大きな憧れを抱く息子は飛び上がって喜び、昆虫採集の道具やトラップを持って出かけた。
4×4アカデミーの店内には、オーナーのスティーブンさんが活躍したラリーの写真や車のパーツがところ狭しと並び、車好きの息子のテンションはますます上がる。ご一緒したTさんは、マレーシア在住歴が長く、動物や虫のこと、特に釣りに関する知識に長けた方で、今までに経験されたエピソードを交えつつ、いろんなことを息子に話してくださった。
キャンプサイトに到着すると、屈強なスティーブンさんと仲間たちが手際よくテントを設置していく。ダイニング、リビング、キッチン、トイレ、ベッドルーム…。更地があっという間に「住まい」へと化していった。その間、息子は『自然のはなし』の伊藤さんを師と仰ぎ付きまとっていた。虫がどんなところに隠れているかヒントをもらい、捕まえては観察する。息子が「この虫はね…。」と、それについて話せば、伊藤さんは「よく知ってるね!」と褒めてくださる。知識がなく「へぇ~。」と相槌で済ませる私と違い、伊藤さんは「自然好き仲間」として息子に接してくれた。キャンプサイトの川辺には、マレーシアの国蝶ラジャブルックがたくさん舞い、見たことのない色のカナブンやナナフシがいた。滝つぼでは大きなヤゴやアメンボ、クビナガハンミョウ、鮮やかな紅のトンボをじっくりと観察した。夜になると輝くように真っ白で綿のような虫が宴に仲間入り。鳥、サル、虫の音に耳を澄ませ、「この音はなに?」と尋ねると、伊藤さんが即答。『自然のはなし』ライブバージョンは、息子にも私にとっても貴重な講演であった。
滝に向かう時、4WDの2種類あるシフトレバーをみて「何のためにあるの?」と、息子が、中国語でリビンさんとジャックさんに話しかけた。「中国語が話せるの⁉」と驚くもつかの間、3人は車について語り合う。夕食後、セニョ~ムのみなさんと談笑する私から離れ、息子は4×4アカデミーの仲間と英語やら中国語を駆使しておしゃべりに花を咲かせていた。人見知りだったこの子が社交的に成長したことをとても嬉しく思った。
翌朝、帰り支度をしていると、息子が川でダツを捕まえてきた。息子たっての希望で「ダツのツダさん」を連れて帰ることに。帰宅途中にツダさんの新居を購入した。獰猛なフィッシュイーターのツダさんは、餌となるメダカを長い口で素早く挟むと、器用にその向きを変えて丸飲みする。するとツダさんの喉はメダカの形にポッコリと膨らむのだ。メダカは形を変えながら移動、お腹の真ん中辺りでその姿を消し、ツダさんは長いうんこを出す。毎日、家族総出でツダさんを観察した。2週間後、メダカの逆襲に遭いツダさんはエラを負傷、数日後に亡くなってしまった。自然にいたらもっと生きられたかもしれず、申し訳ない気持ちにもなるが、おかげでダツについてとても詳しくなったのだ。
利秀

2019/07/01 | カテゴリー:KLのらりくらり徒然草

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