2011年9月-第11回

 

子どもの心は、甘えと反抗を繰り返して大きくなる 

    以前、「甘えた人が、自立する」と書きましたが、子どもの心はどのように育っていくのでしょう。 

 よく第一反抗期(1歳半から3歳)、第二反抗期(思春期)などというと、反抗期は2回しかないのかと思いますが、実際は、甘えと反抗を無数に繰り返しながら成長していきます。「甘え」とは「依存」のこと、「反抗」とは「自立」のことです。この2つを行ったり来たりしながら、子どもの心は大きくなっていくのです。 

 まず、赤ちゃんのとき、子は親に完全に依存した状態で生まれます。そこで子どもがもらうのは、安心感です。 

 じゅうぶん甘えて、安心感をもらった子どもには、やがて、もう1つ、別の心が出てきます。それは不自由です。この依存の世界は、安心ではあるけれども、同時に、いろいろ縛られている、不自由な世界なのです。そうすると、子どもは「自由になりたい」「自分でやりたい」と思います。これが意欲です。そこで自立に向かいます。 

 自立した世界は、自由な世界です。そこで、しばらく子どもは自由を満喫します。ところが、自立した子どもの心には、やがてもう1つの気持ちが生まれてきます。それは、不安です。だ れも頼る人がない、何でも自分でしないといけない。自立した世界は、自由ではあるけれど、不安な世界なのです。そこで、あまり不安が強くなると、子どもは安心を求めて、「お母さ〜ん」と、依存の状態に戻ってくる、この繰り返しなのです。そうしながら、次第に自信をつけ、本当の自立に向かっていくのです。 

 ここで大切なことは、この依存と自立の行ったり来たりが、あくまで子どものペースでなければならない、ということです。子どもが「お母さ〜ん」と頼ってきたら、「よしよし」と助けてやる。「自分でやる!」と言ったら、「じゃあ、やってごらん」とやらせてみる。 

 ところが私たちは、ついつい忙しいので、子どものペースでなく、大人の都合になっています。子どもが「お母さーん」と来たら「お母さん忙しいんだから、自分でやりなさい!」と突き放してしまいます。自分でやらせると時間がかかって困る、すると「ちょっとお母さんに貸しなさい! まだ子どもなんだからできるはずないでしょ!」と手を出してしまいます。やむをえない部分もあるのですが、本来は、子どものペースで行ったり来たりが大事だということです。 

明橋大二(あけはしだいじ)

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