2010年8月-行事
ハングリーゴースト・フェスティバル
~先祖の霊を迎え、飢えた霊をなぐさめる~
中華圏の旧暦7月は、鬼月(ゴーストマンス)と呼ばれ、あの世の門が開き、鬼(亡くなった人の霊)がこの世に帰ってく
るといわれている。なかでも旧暦の7月15日は最も重要な日(中元節と呼ばれる)で、先祖の霊を迎えるために華人の一般家庭やお店では、お供え物をしてお祈りをする姿が見られる。
今年は8月10日〜9月7日が鬼月にあたり、奇しくもラマダン(断食月)の時期(8月11日〜9月9日の予定)とほぼ重なる。つまり、この時期には、華人とイスラム教徒それぞれの宗教や伝統に基づいた慣習が行われることになる。
鬼月には、路傍のあちらこちらには果物やお菓子が供えられ、線香の煙が立ち上るなか、火を焚いて紙片を燃やす人たちの姿を目にする。燃やしているのは、あの世で使えるとされる模造のお札(「地獄紙幣」と呼ばれる)。燃やさないとあの世まで届かないと信じられている。
食べ物を家の外に供えるのは、先祖の霊を迎えるためと、身寄りがなくてさまっている飢えた霊(餓鬼、ハングリーゴースト)を慰めるためだ。
またこの期間には、空き地にステージを作り、歌ったり踊ったりする。これが「ハングリーゴースト・フェスティバル」と呼ばれる慰霊祭だ。テントを張って祭壇を設置したり、お供え物や派手な飾り付けをする風景もみられ、このフェスティバルの特徴のひとつになっている。
この時期、華人は結婚やお店の開店などの祝い事、引越し、旅行、不動産や車などの大きな買い物を控える。悪い霊に惑わされ、判断を誤る恐れがあると考えるからだ。
最近の若い人たちはこうした迷信を気にしなくなりつつあるが、親や年長者のアドバイスに従ってこの時期に買い物を控える傾向が依然として残っている。
長年引き継がれてきた伝統は、まだしばらくは存続していきそうだ。
2010/07/31 | カテゴリー:行事








